レジャー白書短信 第8号
父と母、息子と娘の組合せで変わる余暇活動 -親と子両方が参加した割合と親の子に対する期待率の性別分析-
2016年11月10日
公益財団法人 日本生産性本部
調査研究・提言活動 資料ダウンロード
公益財団法人 日本生産性本部の余暇創研は、親と子供(5~14歳)の両方が参加する主な余暇活動を取り上げ、その参加率や親が子供に対して期待する割合(期待率)の性別による違いなどを短信8号としてまとめた。本分析では、観光・行楽やインドア系の種目など幅広い種目において、同じ家族であっても父と母、息子と娘の組合せでそれらの傾向が異なることが明らかになった。また、親の参加率が高い種目については、親が参加しているかどうかでどれくらい期待率に差があるのかも示している。
■親と子両方が参加した割合(参加率)が高いのは“旅行”などの観光・行楽
親と子両方が参加した(1年間に1回以上行なった)割合(参加率)が上位の種目を見ると、1~3位は全て観光・行楽の種目で40%を超えている。また、5位には「トランプ、オセロ、カルタ、花札など」、10位には「テレビゲーム(家庭での)」が入るなど、子供の参加率が高いインドア系の種目も上位に含まれている。ただ、その2種目は、親と子両方の参加率と子供の参加率の差が特に大きく、親が参加しないケースが多いことが分かる。
■親と子両方の参加率が高い種目が多いのは「母と娘」
次に、親と子両方が参加する割合(参加率)が高い10種目について、親と子両方の性別で区分した結果を見てみる。「全体」と比べて参加率が高い種目が多いのは「母と娘」の組合せで、特に「トランプ、オセロ、カルタ、花札など」や「動物園、植物園、水族館、博物館」、「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は両者の差が大きい。一方で同じ母親でも息子との組合せで全体と比べて参加率が高いのは「バーベキュー」や「映画(テレビは除く)」であり、「母と娘」の組合せとは異なる傾向を示している。
■参加者において子供に対する期待率が特に高いのは「読書」、「バーベキュー」、「旅行」
最後に、親の参加率上位(1~20位)種目について、親が参加しているかどうかで子供に対する期待率がどれくらい変わるのかを確認すると、参加者において期待率が特に高いのは「読書」や「バーベキュー」、「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」で、3種目ともに60%を超えている。それに対して、非参加者における期待率は、最も高い「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」でも25.1%にとどまり、参加者の期待率との差が大きくなっている。また、期待している親全体に占める参加者の比率は、「宝くじ」を除く全ての種目で5割を上回っているが、その中でも「バーベキュー」、「遊園地」、「映画(テレビは除く)」などは比較的低い値を示している。このことから、これらの種目の期待率は、親の参加の有無との関係が比較的弱いといえる。
- ※本資料における各用語の意味は以下のとおり。
- 参加率・・・ある余暇活動を1年間に1回以上おこなった人の割合(子供(5~14歳)の場合は同居している親が回答。2人以上対象者がいる場合は年長の子供について回答)。
- 期待率・・・5~14歳の子供(2人以上いる場合は年長者)に、ある余暇活動を将来やってほしい、あるいは今後も続けてほしい回答者(同居している親)の割合。
<余暇活動調査の仕様>
■調査方法:インターネット調査
■調査時期:2016年1月
■調査対象:全国15歳~79歳男女(そのうち本短信の分析対象は5~14歳の子供と同居する父母)
■有効回収数:3375(そのうち本短信の分析対象は383)
- ※カッコ内の数字は、60~79歳の男女の回答数。
お問い合わせ先
公益財団法人 日本生産性本部 余暇創研 (担当:長田)
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