人事部長クラブ 「世代間交流で知識・視点共有へ」 スリーエムジャパン常務執行役員 山口正宏氏
日本生産性本部は2025年7月23日、第99期「人事部長クラブ」の7月例会を都内で開催(オンライン併用)した。当日は「3M流リバースメンタリング」をテーマに、山口正宏・スリーエムジャパン常務執行役員が講演した。

山口正宏氏
「3M流リバースメンタリング」
山口氏は、3Mには「顧客と直接対話せよ」「よい仕組みをつくれ」「人を尊重せよ」という遺伝子が受け継がれていると指摘したうえで、「メンタリング」がメンターが知識と経験を共有し、メンティーのプロフェッショナルとしての旅を豊かにするための支援的な学習機会であるのに対し、「リバースメンタリング」はよりシニアな従業員を主な学習者とし、異なる経験を持つ、よりジュニアな従業員から学ぶ機会だと述べた。
また、リバースメンタリングについては、「目的を明確にする(リバースメンタリングのどの利用がチームにとって最も重要であるかを特定することで、成功のイメージとその測定方法を明確にする)」、「プログラムを設計する(参加対象者・人数枠・期間・期待コミットメント・進捗観察)」、「募集(オープンかクローズドか、プログラムのプロモーション、認知度の向上)」、「マッチング(マッチングの決定、マッチング基準、課題の回避=無意識のバイアスのリスク)」、「プログラムの開始と監視(コミュニティ意識を築くために開始を記念する、サポートとリソースの提供、メンターとメンティーの両方に事前トレーニングを実施、参加者からのフィードバックを受け取るためのシステムの開発)」の順番で実施するとよいと説明した。
リバースメンタリングの目的と特徴
リバースメンタリングの目的については、知識共有の場を提供する、ネットワークと関係構築を支援する、変化への適応をサポートする、多様なつながりを促進すること、特徴については、フィードバックに応える(従業員からの要請に基づく)、多様性のあるペアリング(部門、機能、地域を超えたメンターとメンティーの組み合わせ)、相互学習(異なる役割や文化の洞察を得る機会)、ボランタリーベースであることなどを挙げた。
山口氏は、リバースメンタリングが成功するためには、経営層のコミットメント(経営層もメンターとメンティーとして参加)、企業文化(協働環境を育む共感ストーリーの共有と企業の存在意義の徹底)、信頼関係の三つが必要だと指摘した。
3Mはこれまでのメンタリングの運営の経過を経て、あえて二つのメンタリングタイプを区別せず、メンターとメンティーが双方向で学び合える機会(場)としてメンターシッププログラムと呼称して運営している。
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