「未来の担い手の目に映る企業の魅力とは」一橋大ゼミ生がレビュー
日本生産性本部は2025年10月15日、第100期「人事部長クラブ」の10月例会(現地見学会)を東京・千代田区の一橋大学千代田キャンパスで開催した。当日は「未来の担い手の目に映る企業の魅力とは」をテーマに、円谷昭一・一橋大学商学部教授のゼミナールの学生による3企業の統合報告書レビューが行われた。国際金融を担う政府系金融機関A社の統合報告書レビューでは、「羅針盤」「先導」「共創」といったキーワードが繰り返され、ストーリー性が強いことや、多様なプロジェクト事例が豊富で、事業の方向性が具体的に伝わることが評価された。改善点としては、人的資本の利用実態の情報(研修の利用率・満足度など)が不足していることや、事実ベースで話が進むため、職員のストーリーが掲載されているとより共感されやすいことなどが挙げられた。
積分から微分への発想転換~20代を傾きで考える『微分』の考え方
地域密着型のエネルギー・生活サービス企業B社の統合報告書レビューでは、表紙やトップメッセージなどがわかりやすいことや、統合報告書全体を通して企業理念が表現されていることなどが評価された。就活生としては、業界での立ち位置や、実際の福利厚生やそれに対する社員の声に対する記述、賃金に対する記述もほしいといった声も上がった。
サプライチェーン全体を支えるグローバル物流企業C社の統合報告書レビューでは、トップメッセージから投資家を非常に意識しているのが伝わることや、中期経営計画やDXを非常に強調していることが伝わることが評価された。改善点としては、具体的な数値目標が不明な点が見られたことや各要素とのつながりが薄い印象があることなどが挙げられた。
発表総括を行った円谷氏は、「これまでの常識は、入社から退職までの面積をいかに大きくするかを考える『積分』の考え方だったが、今の学生世代の常識は、転職を前提に新卒入社先を決め、20代にどれだけ自分の力を伸ばすことができるかといった、20代を傾きで考える『微分』の考え方に変わっている。日本企業は積分から微分への発想転換が求められている」と述べた。
サプライチェーン全体を支えるグローバル物流企業C社の統合報告書レビューでは、トップメッセージから投資家を非常に意識しているのが伝わることや、中期経営計画やDXを非常に強調していることが伝わることが評価された。改善点としては、具体的な数値目標が不明な点が見られたことや各要素とのつながりが薄い印象があることなどが挙げられた。
発表総括を行った円谷氏は、「これまでの常識は、入社から退職までの面積をいかに大きくするかを考える『積分』の考え方だったが、今の学生世代の常識は、転職を前提に新卒入社先を決め、20代にどれだけ自分の力を伸ばすことができるかといった、20代を傾きで考える『微分』の考え方に変わっている。日本企業は積分から微分への発想転換が求められている」と述べた。
第100期「人事部長クラブ」は、「次世代を切り拓く人事の挑戦」を統一テーマに2026年1月まで開催。
対象は、人事・労務、総務、人材、経営企画等のエグゼクティブ。
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