ミスマッチ防ぐ6つの策 曽和利光人材研究所代表取締役社長
日本生産性本部は2026年2月18日、第101期「人事部長クラブ」の2月例会を都内で開催(オンライン併用)した。当日は「採用力を高めるための人事部長の役割」をテーマに人材研究所代表取締役社長の曽和利光氏が講演した。
ミスマッチ防ぐ6つの策
リクルート、ライフネット生命、オープンハウスなど多様な企業で人事を歴任し、2万人以上の面接経験を持つ曽和氏は、自社の「採用力」を下げている採用行動として、「厳選した人だけと会う」「志望度を重視する」「意見ばかりを聞く」「感じ良く振舞おうとする」「現場主義である」「候補者の意志を重視する」の6つを挙げ、それぞれについて説明した。
「厳選した人だけと会う」に関しては、面接は適切な訓練をほどこさなければ精度の低い選考方法であることや、絞り込むなら適性検査かRJP(RealisticJobPreview)がお勧めであること、「志望度を重視する」に関しては、初期選考の時期には候補者は「志望」などしていないことや、志望度の低い層を排除しない選考プロセス設計(選考受験の条件を説明会参加としていないか、目的なくエントリーシートを導入していないか、選考スピードが遅くなっていないか等)が必要であることを指摘した。
「意見ばかりを聞く」に関しては、20代前半で明確なキャリア軸がある人は少なく、「主観」よりも「事実」を聞くべきであることや「やりたいか」ではなく「できそうか」を測ること、「感じ良く振舞おうとする」に関しては、ある程度しつこく質問をしないと評価に必要な情報が十分に得られないことや候補者がぼかしてもしつこく具体化していくこと(それを感じよく行う)を指摘した。
「口説く」ことが重要
「現場主義である」に関しては、現場の人は自分の見えている範囲での最適な回答を行うこともあるが、それが全体最適でない場合も多いこと、「候補者の意志を重視する」に関しては、採用担当者は「口説く」ことが重要であり、採用担当者自身が自己開示をすることが鍵を握ることもあることを指摘した。
健全な労使関係の賜物
また、社内(グループ内)の重点・成長事業をオープンにし、従業員が主体的に様々な職務や組織に挑戦できる仕組みとして常設型社内公募制度の「ジョブチャレンジ制度」を導入した。一般職コースと専任職コースがあり、専任職コースでは専任職のみエントリー可能となっている。公募部門の面接には人事部門は介入せず、異動元職場には拒否権はない。
同社では2008年に、従業員が「働きがい」を感じながら仕事に取り組むことができる環境の整備等を目的に、労使の協議機関として「労使働きがい推進委員会」を設置した。議題は、勤務制度や評価及び処遇制度、福利厚生など広範にわたり、これまで累計53回実施している。奥村氏は、「これまで様々な制度改定などを行ってきているが、これも健全な労使関係の賜物であり、それがないとこのような改定はなしえなかった」と強調した。
第101期「人事部長クラブ」は、「採用から育成までをつなぐ人材マネジメント~人と組織の関係を再設計する」を統一テーマに7月まで開催する。
対象は、人事・労務、総務、人材、経営企画等のエグゼクティブ。
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