第5回 暮らしの便利を追求し、明日の笑顔をともに創る セブン-イレブン・ジャパン
連載「ミライを変える革新力」⑤ 暮らしの便利を追求し、明日の笑顔をともに創る セブン-イレブン・ジャパン
未知の業界へ挑戦
いまや定番の「ツナマヨネーズ」おにぎり。元祖はセブン-イレブン・ジャパンが発売した「シーチキンマヨネーズ」だ。開発担当者の子供がごはんにツナとマヨネーズをかけ、おいしそうに食べていたのがヒントになった。
セブン-イレブンは、1974年に1号店(東京・豊洲)が開店してから半世紀が過ぎた。地域特性に根ざしたきめ細やかな品揃え、サービスを展開。コンビニエンスストアは生活の一部になった。
創業当時、スーパーが主流。小型店舗のコンビニエンスストアはうまくいかない、という反対意見もあった。主導したのは鈴木敏文専務(当時)だった。「既存中小小売店の近代化と活性化」に可能性を見出し、様々な課題を克服して推進。フランチャイズチェーン方式を導入し、セブン-イレブン事業を立ち上げた。
革新的な新サービスを次々と導入
時代のニーズを捉えてサービスを展開。「POSシステム」を導入し、商品の売れ筋を的確に把握できるようにした。公共料金の収納代行、銀行ATM設置も進めた。全国に約2万1千店舗、1日平均2千万人が利用する。
独自の商品開発も続く。セブン&アイグループ共通のプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」だ。2007年に49品目からスタートし、現在は約3400品目。24年度の売上金額はグループ全体で1兆5千億円を突破した。国内最大級のPBに成長した。
通常より広めの店内に、焼きたてパンのほか、鮮魚や精肉、野菜が豊富に並ぶ。千葉県松戸市にある新コンセプト店舗「SIP(シップ)ストア」。セブン-イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂が連携し、新たなセブン―イレブンの姿を検討していくための実験店だ。ここで得られた成功体験や要素は他店舗にも拡大していく計画で、具体的には焼きたてのパンや菓子を提供する「セブンカフェ ベーカリー」は今年度中に約1万店に拡大する。
「現場の声を受け止め、その課題解決を支援するのが使命」。セブン-イレブン・ジャパンの新社長の阿久津知洋氏(5月1日就任)は、4月17日の就任記者会見でこう述べた。今後については、「お客様の潜在的なニーズをくみとり、新たな価値を創造していく。『わくわく感』のある店をオーナーとともに作り上げていきたい」。


持続可能な社会へ貢献していく
大阪・関西万博の会場。セブン-イレブン・ジャパンの未来型店舗がある。店内では、アバターロボットが客と会話する。名前は「newme(ニューミー)」。セブン―イレブンの従業員がNTTパビリオンから遠隔操作し、ディスプレイ部分に顔が表示されるため、まるで直接会話しているようだ。
店舗では環境、商品、買い物体験の3つの視点で未来に向けた取り組みを行っている。踏んだ振動を電気に変換する素材を使用した発電床を一部に設置。水素エネルギーから発電した電気を使用して「セブンカフェスムージー」を稼働させる。持続可能な原材料を使用したオリジナルフレッシュフードも並ぶ。店内の照明の光で動作し続ける電子プライスを設置。プライス用紙が不要なため、先進的かつ持続可能な試みだ。小売店舗への設置は日本初という。
セブン-イレブンは、「生活習慣病の増加」「少子高齢化」「地域の過疎化」にも取り組む。栄養強調表示基準を満たしたフレッシュフード比率を約8%から、2030年には50%まで高める。麺類(スパゲティを除く)の国産小麦100%化を目指す。原材料の地産地消化も進める。
「お買い物が難しい状況や地域への解決策として、専用アプリを通じて最短20分で商品をお届けするサービス『7NOW』や、移動販売サービスの『セブンあんしんお届け便』にさらに取り組んでいく」(セブン-イレブン・ジャパン)。
来店客が商品のスキャンから清算まで行う「セブンスマホレジ」を現在70店舗でテスト導入するなど、従業員の負担軽減や生産性向上の取り組みも進めている。
コンビニエンスストアは、社会課題の解決にも貢献していく。
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