調査・研究レジャー白書

レジャー白書短信 第5号

若年層経験者に拡大の余地あるアウトドア関連市場 -参加率10%未満の種目における経験者・未経験者の潜在需要-

2015年11月25日
公益財団法人 日本生産性本部

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公益財団法人 日本生産性本部の余暇創研は、レジャー白書に掲載されている参加率(※1)10%未満の「スポーツ・アウトドア系」と「インドア系」の種目について、経験者と未経験者の潜在需要(※1)の比較分析を行い、「レジャー白書短信第5号」としてまとめた。本短信では、参加人口が少なく今まで主な分析対象としては取り上げられてこなかったマイナー種目に着目し、経験者・未経験者、年齢層別といった切り口で比較分析をおこなうことで、余暇関連のロングテール市場(ネット通販に限らないニッチ市場)の中でより可能性がある種目と顧客セグメントの組み合わせについて言及している。

■マイナー種目で潜在需要が大きいのは、「経験者」では「オートキャンプ」や「カヌー、ラフティング」、「未経験者」では「陶芸」

今まで経験したことがある人(「経験者」)とそうでない人(「未経験者」)の各種目の潜在需要の値をみると、「経験者」では「オートキャンプ」や「カヌー、ラフティング」が高くなっている。また、「未経験者」で7ポイントと最も高い「陶芸」は、「経験者」においても9.5ポイントと比較的高いことから、「陶芸」関連の市場は需要を伸ばす余地が比較的大きいものと考えられる。

■「オートキャンプ」などアウトドア系種目の経験者の潜在需要は、年齢層が低いほど大きくなる傾向が強い

「経験者」の潜在需要を年齢層別に見ると、「若年層」で最も潜在需要が高いのは36.2ポイントの「オートキャンプ」だが、「オートキャンプ」の潜在需要の値は年齢層が低いほど高くなる傾向がある。この傾向は「フィールドアスレチック」や「海水浴」など他のアウトドア系の種目においても顕著である。また、高年層は、潜在需要の高い種目が比較的少ないが、「絵を描く、彫刻する」の値は他の年齢層と比べて高くなっている。

■「スノーボード」や「スキー」の未経験者においては、若年層の潜在需要が特に高い

年齢層別に「未経験者」の潜在需要(「参加希望率(※1)」と同義)を確認すると、「若年層」において特に潜在需要が大きいのは「スノーボード」で、他の年齢層を大きく上回っている。この傾向は「スキー」においても同様である。一方で、高年層で潜在需要が比較的大きい「パークゴルフ・グラウンドゴルフなどの簡易ゴルフ」や「演芸鑑賞(テレビは除く)」は、若年層と高年層で潜在需要の差がほとんどない。中年層では、「陶芸」や「農園(市民農園など)」の潜在需要が大きいが、特に「陶芸」の潜在需要は他の年齢層との差が大きく、未経験者全体の潜在需要を押し上げている。

    1. ※1本資料における各用語の意味は以下のとおり。
      • 参加率・・・ある余暇活動を1年間に1回以上おこなった人の割合。
      • 参加希望率・・・ある余暇活動を将来やってみたい、あるいは今後も続けたいとする人の割合。
      • 潜在需要・・・(参加)希望率から参加率を除いた値。
    2. ※2年齢層の区分は、「若年層」、「中年層」、「高年層」の順に、15~29才、30~59才、60~79才。

<余暇活動調査の仕様>

■調査方法:インターネット調査

■調査時期:2015年の1月(調査対象は2014年1月~12月の1年間)

■調査対象:全国15歳~79歳男女

■有効回収数:3325(人)

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公益財団法人 日本生産性本部 余暇創研 (担当:長田)

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