調査・研究レジャー白書

レジャー白書2009

~不況下のレジャー・フロンティア~

2009年7月30日
公益財団法人 日本生産性本部

財団法人 日本生産性本部の余暇創研は、『レジャー白書2009~不況下のレジャー・フロンティア~』をとりまとめた。同白書は、全国15歳以上3,000人対象の余暇活動実態調査結果等をもとに、わが国における余暇の実態を需給双方の視点から総合的・時系列的にとりまとめている唯一のもので、昭和52年の創刊以来通算33号目になる。 

■■レジャー白書2009の概要■■

【1】日本人の余暇活動の現状 ~不況下で伸びた“日常型レジャー”~

平成20年は後半から景気が低迷する中、余暇活動への参加は“日常型レジャー”へシフト。ただし余暇支出面では大きく減少する種目も目立った。

  • 「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉)」の参加人口は増えたが、支出や宿泊数は低調。「動物園、植物園、水族館、博物館」「遊園地」など近場の行楽も、前年の水準には及ばなかった。「崖の上のポニョ」「おくりびと」など邦画の話題作もあり、映画の参加人口は堅調。
  • “巣篭もり消費”が話題になる中、単価が安く、家庭や近場で繰り返し参加して楽しめるような日常型レジャーの伸びが顕著。「パソコン」の420万人増をはじめ、「ビデオの鑑賞」「音楽鑑賞」「テレビゲーム(家庭での)」「園芸、庭いじり」等が大幅増。近年のランニングブームを反映し、「ジョギング、マラソン」も好調だった。

【2】余暇関連産業・市場の動向 ~余暇市場規模は約73兆円/対前年で2.4%減~

平成20年の余暇市場は72兆8,760億円(前年比2.4%減)。娯楽部門、観光・行楽部門の落込みが目立ったが、ランニング用品や携帯ゲームなど堅調な市場も見られた。

  • スポーツ部門(前年比-1.9%) ランニングブームの高まりを受け、ファッション性の高いランニング用品が好調だった。成長を続けてきたフィットネスクラブ市場は、19年から2年連続の減少。
  • 趣味創作部門(前年比-0.5%) 一眼レフカメラや大画面液晶テレビが販売台数増、ブルーレイディスクが注目を集める。『ハリー・ポッター』新作も出たが、書籍・雑誌はともに減少。
  • 娯楽部門(前年比-2.9%)では、パチンコの下げ幅は縮小。携帯型ゲーム機は堅調だが、ゲームセンターは落ち込んでいる。スポーツ振興くじtotoは、BIGが過去最高販売額を記録した。
  • 観光・行楽部門(前年比-2.1%)では、「東京ディズニーリゾート」が不況下でも過去最高入場者数を更新。旅行業は海外旅行の落ち込みが響いた。外資系高級ホテルの進出が続いたが、外国人旅行者数激減で苦戦。普通乗用車保有台数が初めてマイナスになり、自動二輪車も落込んだ。

【3】特別レポート「不況下のレジャー・フロンティア」

  1. (1)不況下でも、約5割が新たな余暇へのチャレンジに関心

    レジャー・観光の需要開拓戦略の前提となる、人々の今後の余暇生活の充実化の方向について調査を行った。

    • 「A 現在力を入れている余暇の充実」と「B 新しい余暇へのチャレンジ」のどちらに関心があるか尋ねたところ、“余暇積極派”(A・Bどちらにも関心)が31.7%と最も多く、ついで“現状充実派”(Aに関心)28.0%、“新規チャレンジ派”(Bに関心)が21.1%という結果であった。
    • “余暇積極派”と“現状充実派”を合計した6割の人は、リピーターなどの回数市場のターゲットとして期待される。一方“余暇積極派”と“新規チャレンジ派”を合計した約5割の人は、新たな過ごし方や楽しみ方にチャレンジしたいと考えており、新規顧客開拓戦略のターゲットとなる人々といえる。
  2. (2)新たな「レジャー・フロンティア」の開拓へ  ~キーワードは「女性」「経験」「生活領域」~

    不況が深刻であればこそ、まったく新たな顧客の開拓に向けた供給サイドの取組みが真剣さを増しつつある。特別レポートでは、レジャー関連企業・業界における先進的取組28事例を紹介し、不況を越える今後の市場開拓の方向性について展望した。

    • 「女性市場」「経験市場」「生活領域市場」などの今後有望なフロンティアとともに、「技術」「コラボレーション」などの効果的な取組みに関する先進的事例を紹介。
    • やはり今後の大きなフロンティアとして期待される「回数(リピーター)市場」に関する各種目の基礎データを示し、先進的なリピーター対策事例等を紹介。
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