調査・研究自治体に関する調査研究・提言

第3回 地方自治体バランスシートの全国比較

2008年8月6日
公益財団法人 日本生産性本部

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財団法人 社会経済生産性本部の自治体マネジメントセンターは、地方自治体のバランスシート及び行政コスト計算書を全国から収集し、「第3回 地方自治体バランスシートの全国比較」(平成17年度決算版)を発表した。本調査は地方自治体のベンチマーキングを行い、各団体の行財政改革に役立てることを目的としている。

本調査は、全国初の大規模な全国比較を行った平成18年4月発表の第1回(平成15年度決算版)、平成19年7月発表の第2回(平成16年度決算版)、に続くものである。全国比較にあたっては、「安定性」「自立性」「柔軟性」「生産性」「資本蓄積度」「世代間公平性」の6つの視点からの各評価と、6つの視点を統合した総合評価を行った。主な結果は以下の通りである。

地方自治体バランスシートの全国比較(平成17年度決算版)の主要結果

<道府県>

  • 総合評価で埼玉県が1位、大阪府が2位となっている。大阪府の財政規模に比した負債の規模などは相対的にそれほど大きくない。また、生産性は2年連続で3位となっており相対的には高い。他の道府県では将来的に大阪府以上に効率化を求められる可能性がある。
  • 埼玉県は総合評価で大きく順位を上げている。特に柔軟性と世代間公平性が改善している。埼玉県は3年連続で生産性が1位となっており、効率化の取り組み効果が発現してきていると考えられる。
  • 佐賀県、島根県、高知県、鹿児島県のように、安定性が低く資本蓄積度が高い団体は、遊休資産の売却で負債を圧縮するなど資産・負債改革を進める必要がある。

<政令指定都市>

  • さいたま市は3年連続で総合評価が1位となっている。特に安定性、自立性、生産性は3年連続で1位となっており、国や県に頼らずに効率化を図ることで磐石な財政基盤を築いていると言える。
  • 大阪市、千葉市、京都市、広島市、福岡市は3年連続で総合評価が標準値の50を下回っている。特に大阪市は2年連続で最下位となっており厳しい財政状況が伺える。

<市区>

  • 刈谷市は3年連続で総合評価が1位となっている。刈谷市は全ての視点で標準値の50を大きく上回っており、効率化を進めながら社会資本も積み増している。特に地域条件の影響を強く受けるような団体では、刈谷市のように余裕のあるうちに社会資本を整備しておく政策も考えられる。
  • 大野城市、草加市、可児市は3年連続で生産性の上位3団体を占めている。草加市は行政コストを抑制し、大野城市・可児市は職員数を抑制している点でタイプは異なるが、3団体で生産性を競っている。
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