顧客満足とは:CS向上のアプローチと調査の活用

顧客満足とは?

一般的に、商品の購入時やサービスの利用時に感じる何らかの満足感のことを「顧客満足」と呼びます。CS(Customer satisfaction)、消費者満足、お客様満足とも言われ、この顧客満足を高めていくことが売上・利益拡大を図る上で重要なポイントとなります。 本コラムでは、顧客満足の向上がなぜ利益につながるのか、どのようなアプローチで顧客満足を向上させていけばいいのか、さらに顧客満足の向上を進めていく上でのCS調査の活用について解説いたします。

顧客満足の向上がなぜ利益につながるのか?

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顧客満足が向上すると、顧客ロイヤリティ(商品・サービスへの愛着・忠誠心)が高まることで、商品購入・サービス利用のリピート率や購買・利用頻度の上昇、さらには販促費の圧縮が期待されます。その結果として、売上・利益の拡大につながることが想定されます。

特に、サービス業における顧客満足から売上・利益拡大までの連鎖を分かりやすく示した有名なモデルとして、J・L・ヘスケット他による「サービス・プロフィット・チェーン」が挙げられます。このモデルでは、顧客満足(CS)と売上・利益の関係だけでなく、高い顧客満足を実現する前提としての従業員満足(ES: Employee Satisfaction)や社内の仕組みづくりを含めてモデル化されているため、広く様々なサービス業において参考にされています。

    顧客満足をどのように高めるか?

    では、具体的にどのように顧客満足を高めていけばよいのでしょうか?顧客満足を高めていくアプローチとしては、大きく「失点防止」と「得点アップ」の2つのアプローチが挙げられます。

    顧客満足の「失点防止」「得点アップ」アプローチ

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    まず1点目に挙げられるのが、顧客の不満となる要因を取り除いていくアプローチになります。一般的に、サービスの基本的品質(安全、清潔、丁寧さ等が該当し、「当たり前品質」と呼ばれます)が顧客の期待する一定水準に達していない場合に不満を感じられることが多くなります。そのため、サービスの提供基準を定め、しっかりと維持していくことで、評価結果のバラツキを縮小していくことを目指していくことが重要となります。具体的には、属人的であったり、人によって対応が異なる作業や業務を仕組み化し、適切なマニュアルに落し込み、従業員のトレーニングなどを行っていくことが必要となります。

    一方で、顧客の不満要因を取り除くだけでは、不満はなくなるものの、高い顧客満足を実現することはできません。高い顧客満足を実現するためには、次に製品・サービスに関わる「魅力的品質」もしくは「感動要因」と呼ばれる要因を高めていく「得点アップ」のアプローチが必要となります。そのためには、顧客満足の向上に影響するこれらの要因を特定し、その要因に関係する自社製品・サービスの特徴付けやオペレーションの改善などを進めていくことが求められます。


    顧客満足向上のヒントを探る顧客満足度調査

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    では、自社製品・サービスに関わる「魅力的品質」や「感動要因」を、どのように把握すればいいでしょうか?顧客がどのような要因を高く評価したり、感動したりするのかは、何らかの形で顧客からの声や評価を集め、そこから分析していくことが求められます。


    一般的に、顧客の声を聞く方法論としては、下記のようなものが挙げられます。これらの中で、顧客の評価や感動する要因を客観的かつ定量的に評価・分析できるのは、実際に商品・サービスを購入した顧客に調査を行う顧客満足度(Customer Satisfaction)調査になります。


    顧客満足度(CS)調査と聞くと、営業現場や顧客接点では「日々、お客様の声を聞いている」ので、改めてお客様に調査を行う理由に疑問に持たれる方が少なくありません。 しかし、日々、顧客接点で寄せられる顧客の声はすぐに対応が求められるものが多いとともに、その時々の状況に左右されやすいので(例えば、偶然、経験豊富なスタッフが休んでいて新入スタッフのみで店舗対応した等)、原因の分析や組織的な改善につなげにくいといった性質があります。


    一方で、顧客満足度(CS)調査で測定する「顧客満足度」は、複数回の利用経験に基づいた満足・不満足の状態を測定します。そうすることによって、その時々の状況に左右されずに原因を分析することができ、改善につなげやすい性質を持ちます。 そのため、組織的に顧客満足を高めていくためには、顧客満足度(CS)調査を行い、分析していくことがスタート地点となります。


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    CS調査の活用事例:スカイマーク株式会社

    実際に、顧客満足度(CS)調査を活用して改善を行い、顧客満足の向上につなげている事例としては、スカイマーク株式会社が挙げられます。 同社では、2017年度に「顧客満足の向上」により「運賃が安いだけのエアライン」との差別化を図ることを社内外に向けて明言し、「顧客満足の向上」を目指す指標として日本版顧客満足度指数(JCSI)での顧客満足1位を社内目標として掲げました。日本版顧客満足度指数(JCSI)は後述の通り日本最大規模の顧客満足度調査となっており、業界他社及び他業種とも比較が可能であることに加えて、同モデルに基づく指標を基に具体的な社内目標(KPI)と戦略の設定が可能となることから、同社をはじめ様々な企業において活用されています。

    スカイマーク株式会社の事例詳細はこちら

    日本最大規模の顧客満足度調査JCSIとは

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    JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index:日本版顧客満足度指数)調査は、総計12万人以上の利用者からの回答をもとに実施する日本最大級の顧客満足度調査で、業種・業態(以下業種)横断での比較・分析ができ、かつ、6つの指標で顧客満足度構造とポジショニングをチェックすることが可能となっています。

    例年、計30以上の業種・業態、約400社の企業を対象に年度4回に分けて実施し、優れた企業のベンチマークによるサービス産業全 体の生産性の底上げを図るため、上位企業の調査結果を公表しています。


    特に、顧客の購買行動を6つの指標で調査・分析するフレームワークであるJCSI因果モデルが大きな特徴となっており、顧客満足度に影響を及ぼす原因に加えて、顧客満足度の向上がもたらす結果を同時に調査・分析することができる調査となっています。


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    JCSI因果モデルを活用した独自CS調査の実施

    日本生産性本部では、JCSIの定期調査対象以外の企業の皆様にも、ご要望に応じてJCSI因果モデルを活用した各社独自の顧客満足度調査の実施・分析を行っております。また、顧客満足度(CS)調査に加えて、顧客満足の向上に関わる研修や各種コンサルティング支援も行っております。顧客満足の向上やCS調査の実施に関してご検討の方はお気軽に下記よりお問合せください。

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