調査・研究メンタル・ヘルス

2008年版 産業人メンタルヘルス白書

2008年8月22日
公益財団法人 日本生産性本部

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財団法人 社会経済生産性本部のメンタル・ヘルス研究所(所長:小田 晋)は、この度2008年版 『産業人メンタルヘルス白書』を発表した。この白書は「心の病」が増加傾向にある中で、産業界におけるメンタルヘルスへの取り組みの促進を図るため、2001年から毎年発表している。今年の調査研究では、メンタルヘルスの取り組みは良い組織を作るという視点から組織に働きかけることが有効であることを明らかにしている。

~ 2008年版 『産業人メンタルヘルス白書』の概要 ~

  1. 1)白書の構成
    • 第1部 論文
      「職場の精神的風土の転換を」
      「労働者の心身両面の健康確保をめぐる動向と課題・対策」
      「うつ病のタイプと望まれる対応」
      「パワーハラスメントに対する企業の法的責任と留意点」
      「JMI電話相談から見た働く人のメンタルヘルス」
    • 第2部 調査研究
      「第4回『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果」
      「組織の存在証明」
    • 第3部 取り組み事例報告
      「JFEスチールにおけるメンタルヘルスの取り組み」
      「東海コープ事業連合におけるメンタルヘルスの取り組み」
      「東武百貨店労働組合におけるメンタルヘルスの取り組み」
    • 第4部 資料
    • 第5部 年報
  2. 2)調査研究の概要(組織の存在証明)
    JMI心の健康診断の尺度と職場運営に関わる質問項目を用いて、個人および組織に対する働きかけの有効性の差異の検証を行った。
    1. 1.メンタルヘルス向上には組織への働きかけが重要

      JMI心の健康診断の尺度と職場運営項目「声かけ」「あいさつ」「方針目標」「仕事範囲」
      「進捗管理」「自己成長」との相関を、個人と組織について求めたところ、結果は個人の相関より組織の相関が明らかに高かった。この結果から、メンタルヘルスの取り組みは、組織を対象に働きかけていくことが有効であることが示された。(添付ファイル:巻末資料1~3参照)

    1. 2.「方針理解」「承認」(声かけ、あいさつ)による組織づくりは共通して有効

      方針目標」の理解は、組織の目的が何であって、そのために一人ひとりが何をすればよいか、よく認識されていることを示し、「声かけ」は柔らかい情報収集、進捗管理、部下指導につながる。「あいさつ」はあいさつが交わされている状況に在るというよりも、あいさつが交わされている職場に在るということがメンタルヘルスに寄与する。これらは短期的な問題解決技法ではなく、リーダーの業務指向と経営理念を一致させ、職場独自の価値をつくり出す創発点であると理解すべきである。職場のリーダーが「方針目標」「声かけ」「あいさつ」の3つの方向で組織の構築に向かえば、メンタルヘルスの向上が期待される。

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