調査・研究メンタル・ヘルス
2003年版 産業人メンタルヘルス白書
~2003年度メンタルヘルス実態調査「労働組合の取り組み」とJMI健康調査から~
2003年8月22日
公益財団法人 日本生産性本部
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I.2003年度メンタルヘルス実態調査(労働組合対象)
(昨年行った上場企業「取り組みアンケート調査」に引き続き、労働組合を対象に実施をした)
- 1.最近3年間の各労組における「心の病」は、67.2%が「増加傾向」。
- 2.心の病による「1ヶ月以上の休業者」は、63.5%と過半数を超える。
組合員数3;000人以上では、81.5%に上る。 - 3.心の病で、最も多い疾患は「うつ病」であると、82.2%の労組が回答。
- 4.運動方針に「メンタルヘルスの取り組み」を入れている労組は、58.1%
取り組みの考え方は、「疾病予防・健康の保持増進のため」が42.7%。 - 5.推進上のネックは、「プライバシーの問題が絡んでいる」が58.1%。
II.産業人のメンタルヘルス(2000年度以降の変化)
- 応答率が5%以上、悪化した項目
「目が疲れる」「神経が疲れる」「このところ疲れてきた」「朝起きたとき疲れた感じが残る」「仕事のノルマが厳しい」「今の会社生活は安定しており今後の生活に不安はない」 - 応答率が5%以上、良化した項目
「むずかしいことでも解決するまで色々工夫する」
III.「評価」とメンタルヘルスの関係
~給与制度の合理感、評価への納得性、仕事配分の公平性~
- 1.「評価への満足感」は、2000年度以降、連続的に低落している。
71.0%が評価に「納得」し、45.4%が給与制度は「合理的」と評価し、
40.6%が仕事の配分は「公平」であると感じている。(応答率:2002年度) - 2.メンタルヘルスへの影響度では、評価に「納得」していない人は特に大きく、
以下、「公平」でない、「合理的」でない、と感じている人の順である。 - 3.評価に「納得」していない人は、精神面・身体面に悪影響が出ている。
- 4.仕事配分の「公平」さを感じていない人は、職場適応や性格傾向に悪影響が出ている。
- 5.評価制度の合理的な改善だけでなく、制度運用の納得性の高さ、能力・性格に応じた
仕事配分の公平性の確保が、産業人メンタルヘルスの大きな支えとなる。
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