調査・研究その他の調査研究・提言

第18回 働く人の意識調査

景況感・今後の景気見通しに対する不安が改善、テレワーク実施率は15.4%

2026年1月29日
公益財団法人 日本生産性本部


調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人日本生産性本部(東京都千代田区、理事長:前田和敬)は1月29日、働く人の意識や人材育成・働き方等の現状に関する継続調査(第18回「働く人の意識調査」)の結果を取りまとめ、公表しました。本調査は、組織で働く雇用者を対象に、勤め先への信頼度や雇用・働き方に対する考え方などについて、2020年5月以降、四半期毎(2023年7月調査より半期毎へ変更)に実施しているものです。18回目となる今回は、憲政史上初の女性首相となる高市首相誕生から2か月半が経過し、ガソリン税の暫定税率が廃止され、日中関係の悪化など国際情勢の先行き不透明感が増している1月5日(月)~6日(火)、20歳以上の日本の企業・団体に雇用されている者(雇用者=就業者から自営業者、家族従業者等を除いたもの)1,100名を対象にインターネットを通じて行いました。調査結果から、景況感・今後の景気見通しに対する不安が改善し、業績不安や転職意向も減少したことが明らかになりました。テレワークの実施率は15.4%に微減しました。また、今回の調査では職場におけるAIの利用状況を初めて調査し、AIを導入している職場が約2割、利用率が約6割であることが明らかになりました。主な特徴は以下の通りです。


【第18回「働く人の意識調査」主な特徴】(詳細や図表は別添「調査結果レポート」参照)

1. 現況:景況感・今後の景気見通しに対する不安が減少に反転(図2~9)

  • ・景気が「悪い」「やや悪い」の合計が前回2025年7月調査の68.3%から51.3%へ減少し、調査開始以来最少を更新(図2)。
  • ・今後の景気見通しは、「悪くなる」「やや悪くなる」の合計が7月調査の56.5%から35.1%へ減少。2024年1月調査から悲観的な見通しが強まっていたが、調査開始以来最少に転じた(図3)。

2. 働く人の意識の変化:業績不安が改善、AIが導入されている職場は約2割(図10~24)

  • ・勤め先の業績に「全く不安は感じない」「どちらかと言えば不安は感じない」の合計が55.3%に増加し、調査開始以来最多となった(図11)。
  • ・職場においてAIが「1年以上前から職場に導入されている」「最近1年間に職場に導入された」の合計は21.5%(図19)。そのうち、AIを「仕事で利用している」と回答したのは62.3%(図22)。
  • ・職場へのAIの導入について、「職場全体の業務の効率化につながる」(54.5%)、「斬新なアイディアやイノベーションのきっかけになる」(51.3%)と前向きな回答が見られる一方、「倫理上不適切な内容や偏見、誤りを含んだものを作り出してしまわないか不安である」(51.8%)、「AIそのものに対して、漠然とした不安がある」(51.1%)と不安や懸念を示す意見もあった(図23)。

3. キャリア形成と人材育成:兼業・副業、自己啓発、転職への意向が過去最低に(図25~39)

  • ・「兼業・副業を行う気はない」が7月調査の62.0%から69.2%へ増加、調査開始以来最多(図25)。
  • ・自己啓発を「行っている」「行っていないが、始めたいと思っている」の合計は32.4%で、調査開始以来最少(図29)。
  • ・「転職をするつもりはない」が66.7%となり、調査開始以来最多(図35)。

4. 働き方の変化:テレワーク実施率は微減、自宅勤務未実施者の実施希望は4割未満(図40~52)

  • ・テレワークの実施率は7月調査の16.8%から15.4%に微減(図41)。
  • ・自宅勤務を実施していない回答者のうち、自宅勤務制度があれば行いたい(「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の合計)は36.4%、実施を希望しない(「そう思わない」「どちらかと言えばそう思わない」の合計)は63.5%(図51)。

【「働く人の意識調査」概要】
公表日 調査期間 タイトル 調査期間の特徴
第1回
2020年5月22日
2020年
5月11日~13日
労使の堅固な信頼関係の再構築と「新しい生活様式」に向けた意識改革を 初の緊急事態宣言発出(4月7日)から1か月半
第2回
2020年7月21日
2020年
7月6日~7日
組織の生産性向上につながる労使の信頼関係の再構築を 緊急事態解除(5月25日)から1か月半
第3回
2020年10月16日
2020年
10月5日~7日
人的資本への積極投資を。テレワークは一定程度定着の兆し 「GoToトラベル」等積極的経済活動再開から3か月
第4回
2021年1月22日
2021年
1月12日~13日
組織の健康配慮が行動変容を後押し、社会経済システムや組織への信頼強化を 二度目の緊急事態宣言発出(1月7日)直後
第5回
2021年4月22日
2021年
4月12日~13日
行動や働き方の変容には、宣言・措置よりも労使による積極的取り組みと課題解決を 一部地域に「まん延防止等重点措置」適用(4月5日)直後
第6回
2021年7月16日
2021年
7月5~6日
ポストコロナの社会・経済変化に懐疑的、コロナ以前に回帰か。「テレワーク疲れ」に注視を 東京オリンピック・パラリンピック開催まで約3週間
第7回
2021年10月21日
2021年
10月11日~12日
テレワーク実施率、宣言・措置解除後も約2割で推移 国による緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の解除後、約10日が経過
第8回
2022年1月27日
2022年
1月17日~18日
テレワーク実施率は過去最低の18.5%、中堅・大企業の実施率低下が影響 感染力の強いオミクロン株による新規感染者が急増、まん延防止等重点措置、3県適用中、13都県適用直前
第9回
2022年4月22日
2022年
4月11日~12日
テレワーク実施率は約2割で推移、在宅勤務の満足度は過去最高に 国によるまん延防止等重点措置の解除後、約3週間が経過し第7波の予兆を懸念
第10回
2022年7月25日
2022年
7月4日~5日
テレワーク実施率は16.2%と過去最低を更新、20代・30代の実施率が大幅減 訪日外国人客の受け入れが2年ぶり再開。国際情勢は緊迫。円安や、原材料価格高騰などで消費者物価が上昇
第11回
2022年10月28日
2022年
10月11日~12日
感染不安は薄れる傾向が続く、テレワーク実施率は17.2%と低調に推移 原材料価格高騰や円安が進行し、消費者物価は上昇傾向。円が32年ぶりに1ドル=150円を割り込む。政府・日銀は24年ぶりに市場介入
第12回
2023年1月27日
2023年
1月10日~11日
第8波到来で感染不安高まる、テレワーク実施率は16.8%と過去最低に近く 原材料価格の高騰による光熱費、日用品、食品などの値上げが続く。中国当局が日本人向けのビザ発給を一時停止
第13回
2023年8月7日
2023年
7月10日~11日
「5類」移行で感染不安は減少、テレワークは大企業の実施率低下で過去最低に 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから約2か月が経過
第14回
2024年2月7日
2024年
1月9日~10日
現在の景気は「悪い」が再び増加、テレワーク実施率は14.8%と過去最低を更新 令和6年能登半島地震、羽田空港航空機衝突事故から1週間経過
第15回
2024年7月29日
2024年
7月8日~9日
今後の景気は悲観的見通しが5割に迫る、テレワーク実施率は16.3%に増加 歴史的な円安・物価高が続く中で日経平均株価・TOPIXは過去最高値を更新。20年ぶり新紙幣発行
第16回
2025年1月30日
2025年
1月6日~7日
テレワーク実施率は14.6%で過去最低を更新、自宅勤務の実施希望は4割以下 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから約1年8か月経過。石破内閣発足から約3か月経過
第17回
2025年7月30日
2025年
7月7日~8日
今後の景気は悲観的な見通し強まる、「5類」移行後のテレワーク実施率平均は15.6%に 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから約2年2か月経過。米国、日本向け関税25%への引上げ方針を表明
第18回
2026年1月29日
2026年
1月5日~6日
景況感・今後の景気見通しに対する不安が改善、テレワーク実施率は15.4% 憲政史上初の女性首相による高市早苗内閣発足から約2か月半経過
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