第19回 働く人の意識調査
AI導入率は企業規模で大差、テレワーク実施率は過去最低の14.5%に
2026年7月30日
公益財団法人 日本生産性本部
調査研究・提言活動 資料ダウンロード
調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人日本生産性本部(東京都千代田区、理事長:前田和敬)は7月30日、働く人の意識や人材育成・働き方等の現状に関する継続調査(第19回「働く人の意識調査」)の結果を取りまとめ、公表しました。本調査は、組織で働く雇用者を対象に、勤め先への信頼度や雇用・働き方に対する考え方などについて、2020年5月以降、四半期毎(2023年7月調査より半期毎へ変更)に実施しているものです。19回目となる今回は、米国・イスラエルによるイラン攻撃や、ホルムズ海峡封鎖をはじめとする中東情勢の緊迫化に加え、物価高が続き経済の先行き不透明感が増している7月6日(月)~7日(火)、20歳以上の日本の企業・団体に雇用されている者(雇用者=就業者から自営業者、家族従業者等を除いたもの)1,100名を対象にインターネットを通じて行いました。調査結果から、今後の景気見通しについて悲観的な見通しが強まっている傾向が明らかになりました。また、テレワークの実施率は過去最低の14.5%となりました。AIを導入している職場は26.2%で、従業員規模別で差があることが分かりました。主な特徴は以下の通りです。
【第19回「働く人の意識調査」主な特徴】(詳細や図表は別添「調査結果レポート」参照)
1. 現況:景況感・今後の景気見通しに対する不安が増加(図2~7)
- ・景気が「悪い」「やや悪い」の合計が前回2026年1月調査の51.3%から56.6%に増加(図2)。
- ・今後の景気見通しは、「悪くなる」「やや悪くなる」の合計が1月調査の35.1%から45.8%へ増加。前回調査で改善に転じたが、再び悲観的な見通しが強まっている(図3)。
2. 働く人の意識の変化:AIが導入されている職場は26.2%(図8~20)
- ・職場においてAIが「1年以上前から職場に導入されている」「最近1年間に職場に導入された」の合計は26.2%(図15)。「導入されている」の割合は、1~100名で14.2%、101名~1,000名で30.0%、1,001名以上で54.0%となり、従業員規模が大きくなるほど導入率が高い(図16)。導入を選択した回答者のうち、AIを「仕事で利用している」と回答したのは64.7%(図18)。
- ・職場へのAIの導入については、「職場全体の業務の効率化につながる」が58.6%(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計)、「自分自身の仕事の効率につながる」が55.4%など、前向きな回答が増加した一方、「重要情報の漏洩、著作権侵害などをしないか不安である」が56.9%、「AIそのものに対して、漠然とした不安がある」が56.0%など、不安や懸念も増加した(図19)。
3. キャリア形成と人材育成:AIに関するスキル向上意識高く、Off-JTも進む(図21~38)
- ・「兼業・副業を行う気はない」が1月調査の69.2%から63.3%へ減少(図21)。
- ・キャリアプランの有無は「特に考えていない」が72.9%となり、調査開始以来最多(図25)。
- ・最近3か月に受講したOff-JTの内容として、「生成AIを含むAIの利用方法、注意点などに関する知識」は17.2%が回答(図28)。また、雇用者が伸ばしていきたい特定のスキルや能力として、「生成AIを含むAIに関する知識・能力」は11.6%が回答(図33)。
4. 働き方の変化:テレワーク実施率は過去最低の14.5%、オフィス回帰の動きが拡大(図39~50)
- ・テレワークの実施率は1月調査の15.4%から微減し、過去最低の14.5%(図40)。テレワーク実施者の週当たり出勤日数は、「5日以上」が32.5%で過去最多、「0日」が10.6%で過去最少(図43)。
- ・育児休業等を取得する同僚の業務を代替することになった場合、勤め先にどのような支援を希望するか聞いたところ、「人員の追加よりも、手当等の金銭的な支援をしてほしい」が75.1%となり、「金銭的な支援よりも、人員を追加してほしい」(24.9%)の3倍以上となった(図49)。
【「働く人の意識調査」概要】
| 公表日 | 調査期間 | タイトル | 調査期間の特徴 |
|---|---|---|---|
| 第1回 2020年5月22日 |
2020年 5月11日~13日 |
労使の堅固な信頼関係の再構築と「新しい生活様式」に向けた意識改革を | 初の緊急事態宣言発出(4月7日)から1か月半 |
| 第2回 2020年7月21日 |
2020年 7月6日~7日 |
組織の生産性向上につながる労使の信頼関係の再構築を | 緊急事態解除(5月25日)から1か月半 |
| 第3回 2020年10月16日 |
2020年 10月5日~7日 |
人的資本への積極投資を。テレワークは一定程度定着の兆し | 菅義偉内閣発足から約3週後。「Go Toトラベル」等、積極的経済活動再開から3か月 |
| 第4回 2021年1月22日 |
2021年 1月12日~13日 |
組織の健康配慮が行動変容を後押し、社会経済システムや組織への信頼強化を | 二度目の緊急事態宣言発出(1月7日)直後 |
| 第5回 2021年4月22日 |
2021年 4月12日~13日 |
行動や働き方の変容には、宣言・措置よりも労使による積極的取り組みと課題解決を | 一部地域に「まん延防止等重点措置」適用(4月5日)直後 |
| 第6回 2021年7月16日 |
2021年 7月5~6日 |
ポストコロナの社会・経済変化に懐疑的、コロナ以前に回帰か。「テレワーク疲れ」に注視を | 東京オリンピック・パラリンピック開催を目前に、1都3県などで新型コロナ新規感染者数が増加傾向 |
| 第7回 2021年10月21日 |
2021年 10月11日~12日 |
テレワーク実施率、宣言・措置解除後も約2割で推移 | 岸田文雄内閣発足から1週間経過、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の全面解除から約10日 |
| 第8回 2022年1月27日 |
2022年 1月17日~18日 |
テレワーク実施率は過去最低の18.5%、中堅・大企業の実施率低下が影響 | 感染力の強いオミクロン株による新規感染者が急増、まん延防止等重点措置、3県適用中、13都県適用直前 |
| 第9回 2022年4月22日 |
2022年 4月11日~12日 |
テレワーク実施率は約2割で推移、在宅勤務の満足度は過去最高に | 新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が全面解除。ロシアのウクライナ侵攻による原料高騰により、物価上昇の兆し |
| 第10回 2022年7月25日 |
2022年 7月4日~5日 |
テレワーク実施率は16.2%と過去最低を更新、20代・30代の実施率が大幅減 | 訪日外国人客の受け入れが2年ぶり再開。国際情勢は緊迫。円安や、原材料価格高騰などで消費者物価が上昇 |
| 第11回 2022年10月28日 |
2022年 10月11日~12日 |
感染不安は薄れる傾向が続く、テレワーク実施率は17.2%と低調に推移 | 原材料価格高騰や円安が進行し、消費者物価は上昇傾向。円が32年ぶりに1ドル=150円を割り込む。政府・日銀は24年ぶりに市場介入 |
| 第12回 2023年1月27日 |
2023年 1月10日~11日 |
第8波到来で感染不安高まる、テレワーク実施率は16.8%と過去最低に近く | 原材料価格の高騰による光熱費、日用品、食品などの値上げが続く。中国当局が日本人向けのビザ発給を一時停止 |
| 第13回 2023年8月7日 |
2023年 7月10日~11日 |
「5類」移行で感染不安は減少、テレワークは大企業の実施率低下で過去最低に | 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから約2か月が経過 |
| 第14回 2024年2月7日 |
2024年 1月9日~10日 |
現在の景気は「悪い」が再び増加、テレワーク実施率は14.8%と過去最低を更新 | 令和6年能登半島地震、羽田空港航空機衝突事故から1週間経過 |
| 第15回 2024年7月29日 |
2024年 7月8日~9日 |
今後の景気は悲観的見通しが5割に迫る、テレワーク実施率は16.3%に増加 | 円安・物価高が続く中で日経平均株価・TOPIXは過去最高値を更新。20年ぶり新紙幣発行 |
| 第16回 2025年1月30日 |
2025年 1月6日~7日 |
テレワーク実施率は14.6%で過去最低を更新、自宅勤務の実施希望は4割以下 | 石破茂内閣発足から約3か月経過 |
| 第17回 2025年7月30日 |
2025年 7月7日~8日 |
今後の景気は悲観的な見通し強まる、「5類」移行後のテレワーク実施率平均は15.6%に | 米国、日本向け関税25%への引上げ方針を表明 |
| 第18回 2026年1月29日 |
2026年 1月5日~6日 |
景況感・今後の景気見通しに対する不安が改善、テレワーク実施率は15.4% | 憲政史上初の女性首相による高市早苗内閣発足から約2か月半経過 |
| 第19回 2026年7月30日 |
2026年 7月6日~7日 |
AI導入率は企業規模で大差、テレワーク実施率は過去最低の14.5%に | 米国・イスラエルによるイラン攻撃から4か月が経過。日銀が政策金利を1.0%に引き上げ、1995年以来31年ぶりの高水準に |
お問い合わせ先
公益財団法人 日本生産性本部 生産性研究センター(担当:長田・吉岡)
WEBからのお問い合わせ