第一鋼業株式会社 さま(大阪府大阪市)

「『当社にもできそうなこと』を親身に伝えていただいたことに
 何よりも感謝」

今年(2012年)6月に、インストラクター1名と8名の実習生による、9日間の無料診断をしていただきました。
弊社が診断を受けようと申し込みをした動機は、①操業80年近くになる会社であるのに、利益を生み出せないでいる体質であることや、②受注量の減少傾向や利益率の低下が顕著で、今後も経営環境の好転が難しいという状況であること、③その打開のために、事務ソフトの更新や生産管理ソフトの導入で対応しようとしているものの、それを進めるなかで、かえって現場が混乱するなどの難しさが見えてきており、経営層も、「現場の抜本対策を考えられるよい機会」と考えていましたので、生産現場を主とした無料診断を申し込ませていただきました。
100ページを超える詳細なレポートには、経営上の問題を含めて、従業員意識の現状とあり方、工程改善の方法などを、従業員アンケートや、IE手法を用いた現場観察を踏まえた現状の問題点を抽出したうえで、具体的な提言をしていただいています。
レポートは管理職以上に読んでもらっていますので、今後、時間を経て、何らかの形で徐々に効果が現れるものと期待しています。 ・・・が、しかし、正直なところ、現実問題として、当社の中間管理者層以上が、このレポートを読んで、書かれたことを短期間に実行着手できるとは思えません。 それはそうでしょう。実際、提言や診断内容を改善にむけて実行できるくらいの会社であれば、すでに現状打破の方針ぐらいはできているでしょうから・・・。それができずに地団駄を踏んでいる会社に、IE手法などの話を中間管理者層にやれと言われても、きっと、動くことはないでしょう。
私としても、回付されたレポートを読むだけの立場であれば、診断を受けたことに対する評価も、内容に書かれたことをしないことに対する責任感も、何も考えなかったでしょう。しかし、今回の診断は、私自身は大変有意義だったと感じています。
それは、まず一つ目に、私が事務窓口でしたので、診断メンバーの方と雑談できる時間があり、診断メンバー個人の考え方や感想をお聞きできたこと、次に、「難しいことより、まず、2Sをやってください」と、最終日にズバリ、当社の問題点を私宛に指摘していただいた点です。
何回かレポートを読み返していますが、私の受け取り方では、対策するにはかなり高度で手に余る内容が多く、かつ、誰が何をどうして行くのか・・・について、現状の会社状態を考えると、診断を受けたものの、手を付けられないで消えてしまう運命のように見えます。
でも、診断メンバーの方は、「5Sでなくても、2Sでいい」「なにもしないと、大変なことになる」と、私に言い続けていただきました。レポートの「タテマエ」ではない、このことだけを・・・。
早速、部次長会議で話して、知り合いの方を通じて、外部の方に指導協力を仰ぎ、社長を先頭に「5S」を進め始めています。今年中にモデル職場で活動し、それを全社に広げることで進んでいます。
今の私の気持ちとしては、「やらないと大変なことになる」とまで行けずに、「やるときっといいことがある」というレベルですが、社長はもっと強い決意を持たれたようです。5S効果はどうなっていくのかわかりませんが、ムダやゴミが絞り出されてはじめてきていますので、これから、なにかが変わっていくのでしょう。
私自身、40年の会社勤めをしてきて感じることですが、「やれればいいが、できない」ことがたくさんありました。この「やれればいい」と考えたことができていれば、きっと今よりもよくなっていたのでしょう・・・。
この5Sについても、社内では、低次なことだと考える人もいるようですが、自分の目で当社内を見渡すと、現状でよいとは決して言えません。この「5S、できなければ2Sを・・・」と、「当社にもできそうなこと」を親身に伝えていただいたことに、何よりも感謝しています。

(社長室さまより)

企業情報

第一鋼業株式会社
機械刃物製造販売、金属熱処理加工、各種工具、機械部品の設計・製作
大阪府大阪市西成区南津守6-3-22
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